目標を設定するときは「SMARTの原則」を意識しよう

皆さんはそれぞれ何かの目標を立てて練習をしてきた、あるいは目標を立てて練習をしていると思います。目標を立てることは、私たちが成長し、進歩するための重要なことです。

目標はただ立てれば良いわけではなく、目標を立てるには押さえるべきポイントがあります。そこで登場するのが「SMARTの原則」です。SMARTは、Specific(具体的な)、Measurable(測定可能な)、Achievable(達成可能な)、Relevant(関連性のある)、Time-bound(期限を設けた)の5つの要素を指します。この5つをふまえた目標を立てることで、目標達成のためにするべきことが明確になり、目標達成の可能性も高まります。

最小限のトレーニングでの目標達成を目指したいのに、その目標が適切に設定できていないと遠回りをしてしまいます。目標を達成するための方法も間違えるかもしれません。

ナマケモノ
ナマケモノ

この記事では具体例として、「最小限のトレーニングでのアイアンマンレース完走」を目指すナマケモノの目標をSMARTの原則を使って設定します。

この記事を読むと
  • SMARTの原則について知識を得られる
  • 具体的にSMARTの原則で目標を立てたものを見ることができる
  • SMARTの原則で目標を立てることで、練習計画が具体的に立てられるようになり、目標の達成可能性が高くなる

SMARTの原則

冒頭でも説明した5つの原則を詳細に説明していきます。

Specific(具体的な)

誰が聞いても分かるように、具体的に目標を立てましょう。目標が具体的でなく抽象的だと、達成するために必要な手段・行動も曖昧になってしまいます。

例えば、「速く走れるようになる」は具体性がないですね。速いってどのくらい?ウサイン・ボルトくらい?そもそも、どれくらいの距離を走るつもりなの?ということになります。100m走を速く走るのとフルマラソンを速く走るのでは、練習方法が全く異なります。

Measurable(測定可能な)

目標に対して今どの位置にいるのか、どの程度達成できたか、自分はもちろん他者にも判断できる目標を立てましょう。目標を達成する過程のうち今どこにいるのか、達成できなかった場合もあとどの程度足りなかったのかが分からないと、その差を埋めるために何が必要なのか明確になりません。達成度を判断できないものは目標として相応しくありません。

「100mを速く走れるようになる」という目標を立てて、100mを17秒0で走っていたのが16秒9になったとしましょう。それは目標達成と言えるのでしょうか?それは本当に自分がなりたかった姿でしょうか?目標を達成できたか判断するタイミングが来た時に、達成できたのか、達成できていないのか、誰の目から見ても明確な目標を立てましょう。「100mを15秒以内で走れるようになる」というような数値化した目標にすれば、0.1秒短縮できたものの目標までは1.9秒も届いてないということが分かります。今の練習のままでは目標達成まで時間がかかりそうですし、練習内容を再検討する必要があるかもしれません。

Achievable(達成可能な)

目標は達成可能なものを設定しましょう。いくら自分の理想とする到達点であっても、実現不可能な内容は目標としてよくありません。私ナマケモノが「100mを9秒58で走る」というのは、実現不可能です。アラフォーの日本人で、練習を週2回しかしない生き物には実現不可能な内容です。

上記の例はあまりにも非現実的で分かりやすいですが、そこまで無謀でなくても目標は達成できそうなものを立てる意識が必要です。立てた目標が高すぎて達成できないことが続くと、モチベーションの低下が起きてやる気がなくなってしまいます。

しかし、達成できるのが容易に想像できる目標だとやりがいを感じないので、最終目標は少し高めで「自分がワクワクするもの」がいいと思います。そして、その途中には達成できる可能性が高い小目標・中目標をいくつか立てましょう。

Relevant(関連性のある)

目標は、最終的な目標に関連しているものにしましょう。例えば、ナマケモノはアイアンマン完走を目指していますが、その途中の小目標・中目標が「100mを11秒台で走る」だと関連がありません。完全に違う方向に寄り道しています。小目標をいくつか達成した先に中目標達成が、中目標を達成した先に最終的な目標があるように道順を立てましょう。達成可能な小目標・中目標を1つ1つクリアしていくと、大目標の達成が近づくわけです。

そして、大目標を達成した先に何があるか、何のために目標を達成するのかも意識しましょう。その関連性を明確にすることでモチベーションが向上し、モチベーションの維持もしやすくなります。

Time-bound(期限を設けた)

目標達成までの期限が決まっていることは、達成するための手段に大きく関わります。期限が長ければゆっくりと前に進む計画を立てればいいですが、期限が短ければ急がなければなりません。

また、期限が決まっていないと、今どれくらい頑張らなければならないかの目安が立てられないため、取り組みが中途半端になりモチベーションも維持しにくいです。

ナマケモノの目標

「最小限のトレーニングでのアイアンマンレース完走」を目指すナマケモノが、SMARTの原則を用いて目標を立てました。

※最小限のトレーニング:練習は週2回(月9回)まで

  • 短期目標:2023年11月5日 下関海響マラソン(フルマラソン) 4時間以内
  • 中期目標:2024年6月 アイアンマン70.3東三河ジャパンin渥美半島 完走(8時間以内)
  • 長期目標:2025年 アイアンマン(フルディスタンス・場所未定) 完走(16時間以内)

2023年11月5日 下関海響マラソン(フルマラソン) 4時間以内

ナマケモノはアイアンマン完走を目指し、2023年5月から練習を再開しました。最初の短期目標として選んだのは、フルマラソンです。

フルマラソンは距離が具体的です。4時間以内というのも測定可能な目標になっています。達成できたかどうか、誰でも判定できます。ナマケモノはフルマラソンは4回出場してきていますが、3回は完走しており、一番遅かった初マラソンでも3時間39分10秒です。4時間以内に完走というのは十分に達成可能な目標です。過去の記録からすると4時間というのは目標が低すぎないかと思われそうですが、3時間39分10秒はピチピチの19歳のときの記録で、最後にフルマラソンを走ったのは10年以上前の27歳のときです。現在のナマケモノは39歳です。しかも、下関海響マラソンは20km過ぎてからの起伏が激しいコースで、ナマケモノは25歳のとき30kmでリタイアしています。この目標を達成できれば、過去の自分へのリベンジも果たせます。

ナマケモノの最終目標のアイアンマンレースのランは42.195kmですので、フルマラソンを走れるということはアイアンマンレース完走にとても関連性があります。期限は2023年11月5日と明確です。この日にフルマラソンを4時間以内に完走すると決まれば、どの時期にどのような練習をするのか明確になります。

2024年6月上旬 アイアンマン70.3東三河ジャパンin渥美半島 完走(8時間)

中期目標は2024年6月上旬のハーフアイアンマンの完走です。

種目と距離が具体的です。オリンピックディスタンスと比べて、バイクとランの距離が約2倍増しです。完走(8時間以内のゴール)という目標は誰が見ても判断できる測定可能な目標です。8時間で完走を想定したナマケモノの各種目の目標タイムは、スイム1.9kmを60分、バイク90kmを3時間30分(約25km/時)、ラン21.1km2時間30分(約7分/km)です。1つ1つの種目はそれほどレベルが高くなく、スピードは不要です。うまくいけば十分に達成可能です。これらの距離を全て2倍にすればフルディスタンスのアイアンマンレースになりますので、関連性は大アリです。期限は2024年6月上旬ということで今から約1年後です。

2025年 アイアンマン(フルディスタンス・場所未定) 完走

現時点におけるナマケモノのプロジェクトのメインとなる長期目標ですね。

種目と距離が具体的です。完走(16~17時間でのゴール)という目標は誰が見ても判断できる測定可能な目標です。16時間で完走を想定したのナマケモノの各種目の目標タイムは、スイム3.8kmを2時間、バイク180kmを7時間(約25km/時)、ラン42.2km5時間(約7分/km)です。スイム3.8kmを泳ぎ切る自分の姿をまだ想像できませんが、少しずつ距離を延ばせばいつか届きます。バイク180kmは姿勢や体重のかけかたなど身につけ、距離に慣れていけばなんとかなりそうです。最後のラン42.2kmは得意種目です。スイムとランの疲労を最小限に抑え、ランへの耐久性も向上させておけば、走り切れないことはないと思います。きっと達成可能です。アイアンマンを完走して「鉄人」の称号を得ることは、私の人生の目標(楽しい思い出をたくさん作る)に大いに関連性があります。期限は2025年で今から約2年後です。

どの大会に出るかは未定です。日本で開催されれば最高ですが。海外でアイアンマンに挑戦する前に、五島長崎国際トライアスロン大会(バラモンキング)のような、国内のフルディスタンスを完走しておくのもありかなとも考えます。しかし、新型コロナ5類移行後の2023年バラモンキングは、スイム3.0km、バイク154.8km、ラン42.2kmのトータル200kmで短縮開催されたので、今後の予定は不明です。

超短期目標

記事が長くなりすぎるので全ては書きませんが、超短期目標も同様に立てられます。

超短期目標:2023年9月上旬 jog20km2時間 ペース走15km5’20″/km

種目と距離が具体的。時間も設定しているので達成できたか判断できる測定可能な目標。暑い時期ではあるが、達成可能なレベル。中目標の下関海響マラソンに関連性がある。期限は9月上旬(10日まで)。

超短期を立てると、日々の練習計画を具体的に立てることができます。

まとめ

目標設定は私たちの成長に欠かせません。SMARTの原則を活用して目標を立てることで、練習計画を具体的に立てられるようになるので、目標達成が近づきます。

今は遠いように感じる大きな目標でも、短期目標・中期目標を立ててステップを踏むことで現実味が増してきて、いつか現実のものになります。理想の自分に近づくように、目標を立てて頑張りましょう!

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