LSD・ジョギング・ランニング、その違いについて今回はお話したいと思います。
このテーマについて書かれた記事は世の中に多くありますが、どうやら世界共通の明確な定義はないようで、記事によって諸説あります。

いろいろな記事を読んで、ナマケモノ式の分類を考えてみました。
最後には、コスパ重視のナマケモノがLSDとジョギングをどう使い分けるかの持論を語ります。
- LSD・ジョギング・ランニングの違いについて、ナマケモノの分類を知れる。
- LSDとジョギングをどう使い分けるのか、コスパ重視のナマケモノの持論を知れるので、練習時間の節約につながる。
世界共通の明確な定義がないと言える背景
スピードが速い順に並べると「ランニング→ジョギング→LSD」ということになります。
これは異なる意見をみたことがありません。
ですがLSDは「1km7~8分」、ランニングは「時速6.4km以上」「時速8km以上」と書かれている記事がみられます。
ランニング時速6.4~8kmのペースというのは、ナマケモノも仕事でよく使う「METs表」といわれるものに記載されたものを根拠にしている情報です。
時速6.4~8kmは1km7分30秒~9分22秒5のペースです。
これでは、数字上はランニングはLSDと同じか、LSDより遅いということになってしまいます。
しかも、1km7~8分では長時間走れない人もいますので、このペースで皆がLSDをできるとも限りません。
以上のことから、具体的な数値で分類するのは難しそう、というのがナマケモノの見解です。
では、矛盾を生じないように、世間一般の考え方ともかけ離れないようにナマケモノの分類を紹介いたします。
ジョギング
まずはジョギングを基準に考えると、LSD・ジョギング・ランニングを整理しやすいと思います。
ジョギングとは、ゆっくりと走ることです。
「長く走っても息があがらない」「胸部に負担を感じない」「走りながら会話ができる」というのが目安になります。
速度で定義してしまうと、その速度では息切れしてしまう人もいると思いますので、自覚症状でジョギングを定義することをナマケモノはお勧めします。
心臓や肺への負担が少なめなので、長く走ることができます。
いわゆる有酸素運動になります。
長時間継続する有酸素運動を行うことで有酸素でのエネルギー供給(ATP再合成)能力が向上します。これにより全身持久力が向上し、以前よりも高い負荷でも運動を長時間行えるようになります。
LSD(Long Slow Distance)
LSDとは長い距離をゆっくり走ることです。
「ゆっくりと走る」というとジョギングと一緒になってしまいますが、ジョギングよりもさらにゆっくり走り、ジョギングよりも長い時間を走ることが目的の練習です。
「1km7~8分ほどのペース」と書かれていることが多いのですが、数値はこだわらなくて良いです。
よく言われる「1km7~8分ほどのペース」では長く走れない人も当然います。
自分自身が無理なく長く走れるペースまで速度を落としましょう。
走る「距離」を決めるのではなく、走る「時間」を決めて走ります。
距離を決めるとペースが速くなりがちで、長時間走るという目的が達成できないからです。
60分など長い時間を走りますが、いきなり長い時間を走ると故障するので、トレーニング慣れしていない方は10分程度から始めて少しずつ延ばしましょう。
慣れてきたら120分、180分と走ることも有効です。
LSDも有酸素運動なので、有酸素でのエネルギー供給能力が向上する点はジョギングと同じです。
ただし、「高負荷であるほど生理学的な効果は高い」というのが基本ですので、同じ時間練習するのであればジョギングに効果で負けます。
スピードが控えめなので、正しいフォームを意識することが大事という意見があります。
一方で、実際のレースよりスピードが遅すぎるために走りが小さくなってフォームが崩れやすいという意見もあります。
私は、「スピードが違いすぎるので、レースと同じフォームで走れるわけがない」と考えています。
手足の動きが小さくなるのは仕方ありませんが、体幹を安定させる意識をすることは大事と考えています。
背中を丸めたりせずに背筋を伸ばして、地面からの反発力を前方への推進力に変える意識をもちましょう。
ランニング
ランニングはジョギングよりも速く走ることです。
目標の距離とタイムを設定して走ることが多いです。
ペース走、レペティション、ビルドアップ走、インターバルなどがランニングに該当します。
スピードと距離は種目によって異なりますので、種目によっては「息があがる」「胸部に負担を感じる」「会話ができない」など自覚症状も様々で、有酸素運動ではない状況もみられます。
ペース走は「1km4分」などの設定で、5km、10kmなど距離を決めて走ります。
レペティションは「1km全力×5本(休憩15分)」のような走り方です。
これらのランニングで得られる効果はそれぞれ異なりますので、それぞれの説明ページをご覧ください。
自分が何の能力を成長させたいのかを考え、それに応じたランニングを選ぶことになります。
LSDとジョギングをどう使い分けるか(ナマケモノの持論)
ジョギングとLSDの違いは目的の違いと考えます。
スピードを落としてでも長時間走ることを目的にするのであればLSDです。
同じ身体能力であればジョギングよりLSDのほうが長時間走れるということになります。
トレーニング初心者や、長時間走ることに慣れたい人はLSDという意識で走るといいと思います。
しかし、既にサブ3.5(フルマラソン3時間30分以内)を達成している人がサブスリーを目指すときに、LSDという意識で練習をするのは微妙だなとナマケモノは考えます。
仮に7分30秒ペースでLSDとして3時間走ると、たったの24kmにしかなりません。
そして、サブ3.5で走れているということは、1km4分59秒のペースで42.195kmを走る能力があるので、1km7分30秒というのは遅すぎに感じます。
距離は短く、スピードも遅いので、何の能力が向上できるのか疑問です。
有酸素運動ではあるので有酸素運動能力の向上は期待できますが、「高負荷であるほどトレーニング効果は高い」というのが基本ですので、低負荷の運動は費やした時間に対して成長効率が悪いと考えます。
特に、ナマケモノは最小限の練習で目標を達成したいと考えていますので、練習の効率にはこだわりたいです。
サブ3.5のランナーが3時間練習するのであれば、せめてペースを1km5分まで引き上げて、36kmまで走ったほうがいいとナマケモノは考えます。
サブ3.5のペースに近いのできつい練習にはなりますが、そのぶん効果は大きいです。
ペースを下げたいのであれば、1km5分40秒まで落として、4時間で42km走るのなら少し納得です。
4時間もかかりますが、この1時間の延長で得られる「フルマラソンの距離」への慣れは大きいです。
別の日に1時間の練習時間を追加しても、この効果は得られません。
1回あたりの練習時間が長かったとしても、トータルでの練習時間はむしろ減らせます。
まとめ
- LSD:長時間走るために、スピードを落として走る練習(有酸素運動)
- ジョギング:ゆっくりのスピードで長距離走ること(有酸素運動)
- ランニング:目標の距離やタイムを設定して走ること。ペース走、レペティション、インターバルなど、目的によっていろいろな種類がある。(有酸素~一部無酸素運動)
LSDとジョギングのどちらで練習するかは、今の自分の状況や目的に合わせて選択しましょう。
低負荷でもいいので長時間に慣れたいのであれば、LSDを選択しましょう。
費やした時間に対して大きな成長が欲しければ、LSDより高負荷のジョギングを選択しましょう。
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