フルマラソン・サブスリーに必要な2つの能力と4つの練習

フルマラソンの「サブスリー」とはフルマラソン(42.195km)を3時間以内に走ることです。サブスリーを達成できるランナーは、市民ランナーの間で一目置かれる存在であり、それを目標に日々頑張っているランナーは多いです。

しかしながら、サブスリーを達成できる人の割合はフルマラソン完走者のうち4%前後であり、一握りのランナーしか達成できない状況です。何年も継続して練習しても、サブスリーに届かないことは多いです。

私は28歳のときにサブスリーを達成していますが、いかに無駄なく最小限の練習でサブスリーを達成するかということを考えて練習していました。サブスリーを達成する直前の12か月の練習実績は以下のとおりです。

  • 月間練習回数 平均6.5日(3~11日)
  • 月間走行距離 平均110.5km(51~248km)

この記事では、「サブ3.5達成している人がサブ3を目指す」という場合を想定して、サブスリー達成に必要な能力と練習を具体的に解説していきます。

この記事を読むと
  1. フルマラソンサブスリーのために必要な能力と練習が分かる
  2. 少ない練習頻度でもサブスリーを達成することができる

フルマラソンサブスリーに必要な能力は非常にシンプルで、「42.195kmを止まらずに走れる」「1km4分15秒を楽に走れる」この2つだけです。

この2つの能力を身に着けるための練習は、「超長距離ジョギング」「ペース走」「1km走」「ウィンドスプリント」の4種類です。マラソンの練習方法はたくさんありますが、単純明快なものだけにすると、この4つが残ります。

サブ3.5を達成したので次はサブスリーだと思っている人も、今までずっとサブスリーを目標に練習しているけれどもなかなか達成できないという人も、ぜひ最後まで読んでみてください。

ナマケモノ
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練習により能力を向上させるためには、「ポイント練習」「トレーニングの原則」の理解が不可欠です。この2つをよく分からない方は以下の記事をご覧ください。

フルマラソンサブスリーのために必要な能力2つ

42.195kmを止まらずに走れる

立ち止まったり歩いたりすることなく、42.195kmを最後まで走り続けることが最も大事なことです。

そんなの当たり前だろうと思うかもしれませんが、フルマラソンの完走経験がある方で、それをできる人がどれだけいるでしょうか?大事だと分かっていても、実際にするにはとても難しいのです。

私はサブスリーを達成する前に3回フルマラソンに出場していますが、3回とも足が止まり、歩きました。

一度くらい立ち止まったり、ほんの少し歩くだけなら目標達成は可能かもしれません。でも、足が攣って止まってしまった場合、長時間のストップや歩行をすることになり、一気に目標達成が困難になります。

余裕でサブスリーを達成できる1km4分ペースで40kmまで走ってきたとしても、最後の2.195kmを時速5kmで歩いてしまうと3時間6分20秒でゴールすることになります。

※1km4分での40km通過は2時間40分。残り2.195kmを時速5kmで歩くと26分20秒かかる。

フルマラソンを最後まで走り切るには距離への耐性が必要です。

1km4分15秒を楽に走れる

サブ3.5を達成しているランナーは、1kmを平均4分58秒で走れています。サブ3でゴールするためには、1kmを4分15秒で走らなければなりません。

1kmで43秒も速く走るというのは別世界の走りです。1km4分15秒を楽に走れるようになるためには、スピードを向上させて1km4分15秒を楽に走れる必要があります。

何も考えずに毎日コツコツ走っていてもスピードを向上させることはできません。スピードを向上させるためには、スピードを向上させるための練習が必要です。

フルマラソンサブスリーのために必要な練習4つ

超長距離のジョギング

本番で42.195kmを止まらずに走り続けるために、練習で42.195kmを走っておきましょう。そんな根性練習は嫌だと思うかもしれませんが、これが再現性の高い確実な方法です。

マラソンサブスリーには月間走行距離300kmが必要と言われることがありますが、10km×30日=300kmでは、フルマラソンを最後まで走り切れる能力は身につきません。体が10kmの距離に慣れるばかりで、それ以上の距離を走る能力がつかないからです

ナマケモノ
ナマケモノ

大事なのは、一回の練習で長く走ることです。

1km5分前後のペース(サブ3.5ペース)で、1回の練習で走る距離を少しずつ延ばしていきましょう。

給水、トイレ、ストレッチなどで何度も休憩してもかまいません。信号で止まってもかまいません。ですが、1回の練習での走行距離が42.195kmになるまでは距離を増やしていきましょう。

ただし、注意点があります。

  • 走行距離の延長は慎重にする
  • 超長距離の練習を高頻度にしない

1回の走行距離を一気に延長すると、関節や筋の付着部を痛めます。20kmに慣れたら21km、22kmに慣れたら23km・・・という具合に、走行距離の延長に体が気付かないくらい、ジワジワと距離を延ばしましょう。

1回で長距離を走ることに体が慣れてきたとしても、超長距離ジョギングを短期間に集中させてしまうと故障につながります。私の場合、練習で42kmを走れるようになっても、それを月に3回すると関節や筋を痛めていました。

私は、サブスリー達成1か月前に42kmを3時間00分22秒(信号待ちでは時計を停止)で走っていました。停止時間含めると、スタートからゴールまでの総時間は3時間17分でした。    

1km4分(キロヨン)のペース走

1km4分15秒を楽に走れるようになるために、それより速い1km4分(キロヨン)で走ることに慣れておきましょう。キロヨンで走れる距離を少しずつ延ばしていきましょう。キロヨンに慣れれば、1km4分15秒はずいぶんと楽になります。

私がサブスリーを達成する前は、キロヨンでノンストップ最長18km、キロヨンで1日総走行距離30kmまで走っていました。

1km5本

キロヨンのペース走を楽に長く走れるようにするために、キロヨンよりも早いスピードの練習を行いましょう。

1kmを、キロヨンよりも速く走ります。これにより、キロヨンがゆっくりに感じられるようになります。

私がサブスリーを達成する直前は、1km3分20~30秒を5本していました。間は15分ほど完全休養していました。

ウィンドスプリント 100m×数本

最大スピードを上げるためにはウィンドスプリントをしましょう。全力疾走ではなく、フォームが崩れないように気を付けながら、80%くらいの出力で100mを気持ちよく走ります。

ウィンドスプリントはポイント練習ではなく、ポイント練習の前後に3~5本行います。急にスピードを出すとケガをしますので、体が温まった状態で行いましょう。

4つの練習をどの程度の割合で行うのか

週に2回ポイント練習を行うのであれば、月のポイント練習回数はおよそ9回になります。超長距離ジョギング、キロヨンペース走、1km×5本の3つを9回に振り分けます。

1回の走行距離が30km未満
  • 超長距離ジョギング・・・3~5回
  • キロヨンペース走・・・・2~3回
  • 1km5本・・・・・・・・2~3回
1回の走行距離が30km以上
  • 超長距離ジョギング・・・2~3回
  • キロヨンペース走・・・・3~4回
  • 1km5本・・・・・・・・3~4回

1回の走行距離が短いうちは超長距離ジョギングを多くしても大丈夫ですが、1回の走行距離が長くなってきたら頻度を下げましょう。

ジョギングから始めてフルマラソンサブスリーを目指す方は、おそらく最大スピードが足りていないと思います。長い距離ばかり走っていてもスピードは上がりませんので、1km5本でスピードに慣れることが重要になってきます。

練習の割合は、自分の成長とともに変化してきます。今の自分に不足している能力は何かを考えて、練習の割合は柔軟に変化させましょう。

なお、すべての練習をポイント練習にする必要はありません。私は、ポイント練習を月5~7回程度しかしていません。

ナマケモノ
ナマケモノ

毎回ポイント練習で自分を追い込んでばかりだと、身体だけでなく、メンタルも故障します。

ポイント練習をしない日は、軽くジョギング10kmとウィンドスプリントを行うなどして心身のリフレッシュをしておきましょう。

週2回以上の練習時間を確保できる方も、ポイント練習以外の日に軽くジョギング10kmとウィンドスプリントを行っておくと良いです。

まとめ

フルマラソンサブスリーに必要な2つの能力と4つの練習をまとめると、このようになります。

いつもと変わらないスピード、変わらない距離を走るだけではサブスリーは達成できません。自分に不足している能力が何かを分析し、不足している能力を向上させるための練習を行いましょう。

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