「サブスリー」とはフルマラソン(42.195km)を3時間以内に走ることです。
私はサブスリーを達成していますが、いかに無駄なく最小限の練習で達成するかということを考えて練習していました。
この記事では、「サブ3.5達成している人がサブ3を目指す」という場合を想定してお話をしていきます。
今までずっと練習を続けているのにサブスリーになかなか手が届かないという人も、ナマケモノの思考を知ることで1日1日の練習で自分を成長させることができるようになります。

サブ3.5を達成したときの練習を継続しているだけでは、なかなかサブ3達成はできません。
要求される能力が一段と上がることを理解し、その能力を向上させるための練習が必要です。
- サブスリーのために必要な能力、その能力を向上させる練習が分かる。
- 必要な能力に合わせた練習を行うので、少ない練習頻度でもサブスリーに確実に近づくことができる。

サブスリーのために必要な能力
42.195kmを止まらずに走れる
どの目標タイムのときでも変わりませんが、立ち止まったり歩いたりすることなく最後まで走り続けることが最も大事なことです。
そんなの当たり前だろうと思うかもしれませんが、これがとても難しいのです。
ナマケモノの全4回のフルマラソンのうち、1~3回目は全て足が攣って止まり、歩きました。
一度くらい立ち止まっても、あるいはとても短い時間なら歩く時間があったとしても目標達成は可能かもしれません。
でも、足が攣ってしまうなどして長時間のストップや長時間の歩行を余儀なくされると、一気に目標達成が困難になります。
最後の残り1km歩いてしまうだけで10分近くロスが生じます。
フルマラソンを最後まで走り切るには距離への耐性が必要です。
1km4分15秒を楽に走れる
サブ3.5を達成しているランナーは、平均1km4分59秒で走れているということになります。
ですが、サブ3のスピード達成のためには、1km4分15秒スピードへの耐性が必要です。
1kmで45秒の差というのは別世界の走りです。
持久力だけでなくスピードを上げるという意識が必要です。
フルマラソンサブスリーのために必要な練習
長距離のジョギング 目標:42.195km
マラソンサブスリーには月間走行距離300kmが必要と言われることがありますが、10km×30日=300kmでは最後まで走り切れる能力は身につきません。
大事なのは、一度の練習で長く走ることです。
まずは1km5分前後のペース(サブ3.5ペース)で、1日に走る距離を少しずつ増やしていきましょう。
給水、トイレ、ストレッチなどで何度か休憩してもかまいません。
信号で止まってもかまいません。
距離の最終目標は42.195kmです。
ジョギングの距離が42kmに近づいたものを、私は『ほぼマラソン』と呼んでいます。
フルマラソンと同じイントネーションで「ほぼマラソン」と言います。
注意点は、関節を傷めないように走行距離は慎重に延長することです。
オーバーワークによる故障が一番の遠回りです。
距離が伸びてきたら頻度にも注意が必要です。
42km走れるようになったら、月2回で十分だと思います。
ナマケモノは月3回するとだいたい故障しました。
なぜこの練習を「LSD」と言わないのか気になる方は以下の記事をご覧ください。
ナマケモノはサブスリー達成1か月前のほぼマラソンで、42kmを3時間00分22秒(1km4分18秒)で走っております。
42.195kmに換算すると3時間01分12秒です。
スタートからゴールまでの総時間は3時間17分でした。
休憩は27km地点で9分、信号待ちトータル8分です。
1km4分(キロヨン)のペース走 目標:連続20km
1km4分15秒を楽に走れるようになるには、それより速い1km4分(キロヨン)で走ることに慣れる必要があります。
キロヨンで走れる距離を少しずつ延ばしていきましょう。
キロヨンに慣れれば、1km4分15秒はずいぶんと楽になります。
私がサブスリー達成する前は、キロヨンでノンストップ最長18km、キロヨンで1日総走行距離30kmまで走っていました。
ただし、キロヨンのペースで長く走るためには、キロヨンを楽だと感じるくらいにスピード練習が必要です。
キロヨンを楽に走れるようになるために、下記のような練習も必要です。
1km5本 目標:1km3分20~30秒×5本
キロヨンのペース走を楽に長く走れるようにするには、キロヨンよりも早いスピードの練習も行ったほうがいいです。
そのために、比較的短い1kmという距離を、キロヨンよりも速く走りましょう。
これにより、キロヨンがゆっくりに感じられるようになります。
目標は1km3分20~30秒×5本です。
間は15分ほど完全休養します。
目標タイムに届かないうちは本数を減らすか、タイムを遅くしてOKです。
徐々に目標に近づけましょう。
私がサブスリー達成する前も、1km3分20~30秒で5本走ることができていました。
ウィンドスプリント 100m×数本
最大スピードを上げるためにはウィンドスプリントをしましょう。
ウインドスプリントとは、全力疾走ではなく80%くらいの出力で気持ちよく走る感じです。
フォームが崩れないように気を付けましょう。
これはポイント練習ではなく、長距離ジョギング、キロヨン、1km×5本といったポイント練習の後に3~5本行う程度です。
補強
補強トレーニングとは、ランニングでは鍛えにくい部位をランニングとは別の運動で鍛えることです。
人によって必要な補強は違いますが、ランナーに補強は必須だと考えています。
ポイント練習としてするのではなく、ポイント練習後に行います。
一番大事なのは体幹です。
体幹がグニャグニャでは、地面からの反発力を推進力に変えられません。
腹筋系、背筋系の自重トレーニングを低負荷で反復します。
肩の周囲もランニングだけでは負荷がかからないので補強します。
腕振りだけでなく、体幹の安定にも関与します。
ナマケモノは腕立て伏せ系のものを軽くしていました。
スピードを上げたい場合は脚も補強が必要です。
スピードの出る力強い走りをするためには、脚の筋力もそれなりに必要です。
故障しにくい体にするという効果もあります。
ナマケモノは800m出身でスピードは十分だったので、サブスリーのための脚の補強は全くしませんでした。
※富士登山競走のための脚の補強はいくらかしました。
これらの練習をどの程度の割合で行うのか
週に2回ポイント練習を行うのであれば、月のポイント練習回数はおよそ9回になります。
長距離ジョギング、キロヨンペース走、1km×5本の3つがポイント練習になります。
これらをどの程度の割合で行えばいいでしょうか。
ひとまず均等に振り分けたらこうなります。
長距離ジョギング・・・3回
ペース走・・・・・・・3回
1km5本・・・・・・・3回
ここから、自分がどの能力を向上させたいのかに合わせて微調整します。
長距離ジョギングは、1日の走行距離が短いうちは月に何度やっても良いと思いますが、「ほぼマラソン」ができるようになったら月2回までに抑えたほうが良い気がします。
ナマケモノは「ほぼマラソン」月3回で故障してきました。
ナマケモノは800m走出身なのでスピードは十分に出せます。ですので、1km5本はそれほどしません。スピードを維持できるように、ペース走は多めにします。
ジョギングから始めてフルマラソンサブスリーを目指す方は、おそらく最大スピードが不十分かと思います。距離ばかり走っていても目標には届きませんので、1km5本が必要になってきます。
練習の割合は、自分の成長とともに変化してきます。今の自分に不足している能力は何かを考えて、割合は柔軟に変化させましょう。
あとは身体、仕事、プライベートの都合に合わせてさらに微調整します。
練習量が多くて故障しそうな兆しがあれば、ポイント練習でなく5~10km程度のゆっくりジョギングに変えましょう。
故障が最大の遠回りですので、無理はしません。
毎回の練習すべてポイント練習をする必要はないです。
私もポイント練習は月5~7回程度でした。
ポイント練習で追い込んでばかりだと、身体の故障だけでなく、メンタルも故障します。
まとめ
フルマラソンサブスリーに必要な能力
●42.195kmを止まらずに走れる・・・距離への耐性
【必要な練習】長距離ジョギング~ほぼマラソン
●1km4分15秒を楽に走れる・・・スピードを維持する能力
【必要な練習】
キロヨンのペース走(サブスリーペースが楽になるように)
1km5本(キロヨンが楽になるように)
ウインドスプリント(スピードそのものを上げるため)
自分に不足している能力が何かを考え、不足しているものを向上させるような配分で練習しましょう。
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