トライアスロン・オリンピックディスタンス 3時間で完走したときの練習内容を公開

トライアスロン・オリンピックディスタンスで3時間をきること(サブスリー)は、目標として切りがよく、難易度も適度なので良い目標になると思います。

ただし、3つの種目が関係してくるため、本番でサブスリーを達成するためにはどれくらいの能力が必要なのか、手応えをつかみづらいかもしれません。

各個人のスポーツ歴によって3種目の得意・不得意もありますので、サブスリーに必要な能力を万人向けに伝えることも難しいです。

私は初トライアスロンでオリンピックディスタンスに出場し、3時間00分16秒でゴールしています。ですので、私が練習でどの程度のことができていたのかをお伝えすることで、皆さんにサブスリーの目安のひとつを提供いたします。

この記事を読むと

練習において3種目の能力がどの程度であれば3時間でゴールできるのか、目安をひとつ知れる。

ナマケモノ
ナマケモノ

どのくらいでゴールできるのか未知すぎたので、練習段階ではサブスリーは全く意識していませんでした。本番でランをスタートしてから、サブスリーできそうということに気づきました。

スイムの練習と結果

水泳の経歴

小学生の頃、スイミングに通っていて、クロール・平泳ぎ・背泳ぎ・バタフライの4泳法は身につけました。クロールでは、50mを39秒57で泳いでいました。また、中学生か高校生のときに1500mを平泳ぎで約45分かけて泳ぐことができていました。

ツービートクロールの練習

長距離を泳ぐ場合、トライアスロンなどでは「ツービートクロール」という泳ぎ方が使われます。ツービートクロールでは通常のクロールとは異なり、常に脚をバタバタさせるのではなく、手で水をかくときに脚を1回だけキックします。ツービートクロールはある程度のスピードを出しながらも、省エネで効率的に前進することができるため、長距離泳ぐ際に適しています。

私は通常のクロールを泳げたため、YouTubeでツービートクロールの泳ぎ方を学ぶだけで、泳ぎ方はだいたい身に付きました。その後は距離をだんだん延ばして、連続1.5kmを40分(25mを40秒で泳ぐペース)で泳げるようになりました。1日で泳いだ最長距離は2kmです。

オープンウォータースイム対策

オープンウォータースイムとは、プールではなく海や湖で泳ぐことを指します。

初めてのレース本番まで、海とウェットスーツを経験する機会がないのはさすがに不安でした。そこで、ウェットスーツをレンタルして実際に海で泳いでみることにしました。ウェットスーツを着用して、断続的におよそ1.5km泳ぎました。

本番は1.5kmを37分44秒。とても疲れた。

まず、宮崎の荒波の中での息継ぎはとても難しかったです。しっかり顔を上げないと、海水が口に入ってきます。プールで習得した綺麗なフォームのツービートクロールは使えず、大振りで乱雑なフォームになってしまいました。

そして、ウェットスーツの浮力にも予想外の副作用がありました。普通はウェットスーツの浮力が泳ぐのを助けると言われています。しかし、袖部分のウェットスーツから発生する浮力は、実際には腕を水に入れる時に抵抗になりました。私の腕力がなさすぎただけかもしれませんが、無視できない負担でした。

これらの予想外の事態のため、平泳ぎを併用することにしました。平泳ぎは息継ぎが楽で、なおかつ腕を深く水に入れる必要がないので浮力も負担になりませんでした。

溺れないように、迷わないように必死に泳いだ結果、予定より速い37分44秒で泳ぎ切りました。しかし2種目が残った状態で疲労困憊こんぱいで不安を感じました。

次回、サブスリーを目指すのであればスイムの練習はどうする?

まず、ウェットスーツについてですが、やはり買わずにレンタルしたいです。トレーニングを進める中で体つきが変わる可能性がありますし、ウェットスーツの寿命も3〜4年と言われています。ウェットスーツに不慣れなことにより困惑した面もありましたが、サブスリーを目指す際に大きな問題ではないと考えています。

プールでのスイムについては、ツービートクロールで1.5kmを30分で泳げることを目標にします。スピードを上げるためには腕の力も必要です。30分で泳げる程度の腕になれば、ウェットスーツによる浮力も気にならなくなるはずです。本番は余裕を持って35分でゴールできれば十分です。

また、海での練習も増やします。波のないプールだけでは本番に対応できないことを痛感しました。

バイクの練習と結果

自転車の経歴

普段は日常生活でしか自転車には乗っていませんでした。大学生の時、変速機付きの折り畳み自転車で長距離を移動したことがあります。18時間かけて約240kmを移動しました。しっかり関節を痛めました。

ロードバイクを持たないため、クロスバイクで練習

所有していたのはGIANTのEscape3というクロスバイクです。気まぐれで通勤時(片道7km)に乗っていました。練習らしい練習は1回だけで、1日で28kmを走りました。3種目の中では一番練習が少なかったです。

クロスバイクでは平均時速20km程度でしか走れませんでした。本番でロードバイクに乗ったとしても、時速30kmで走り続ける姿は想像できませんでした。

本番は時速30kmを維持できて、40kmを1時間20分57秒でゴール。しかし腕の疲労がハンパない。

本番の前日に借りたロードバイクは、PINARELLOというメーカーのFP3というモデルでした。このメーカーは歴史のある有名なメーカーで、このモデルは初心者向けの中級グレードのバイクだそうです。

このロードバイクは素晴らしく、自転車の練習をほとんどしていない私でも平均時速30kmで走り続けることができました。ただし、慣れないロードバイクの前傾姿勢で、二の腕がかなり疲れました。

ロードバイクでは、空気抵抗を減らすために、そしてペダルに体重を伝えるために前傾姿勢を保ちます。理想的な前傾姿勢を保つためには、自転車のサイズが体に合っていることや、サドルやハンドルの高さを調整すること、そして姿勢を維持するための練習が必要です。

しかし、理想的な姿勢を知らなかった私は、腕で上半身の体重を支えながら前傾姿勢を続けました。頑張りすぎた二の腕は、筋痙攣(こむら返り)を起こしそうでした。

次回、サブスリーを目指すのであればバイクの練習はどうする?

アイアンマンレースへの出場が決まりロードバイク(NESTのFALAD PRO)を購入しましたので、それを使用し練習します。PINARELLOのFP3と比較することができないエントリーモデルのロードバイクですので、30kmを維持するためには身体能力を一段上げなければならないなと感じています。

最高速度と筋持久力を上げるためにインターバル(30秒頑張って、30秒軽く流す×10本)をしたり、長めの距離を走る練習などを行います。二の腕への負担を減らすために、腕でなくペダルで体重を支える姿勢も身に着けます。

ランの練習と結果

ランニングの経歴

ランニングは小学生の頃から取り組んできた専門種目です。

25歳で800m1分59秒58を達成。27歳でフルマラソン2時間57分14秒を達成。28歳で富士登山競走山頂コースを完走。その後、5年ほど全く走らなくなったという状況です。

10kmを50分で走れる能力を維持

本番では10kmを50分で走ることができれば十分だと考え、練習では10km50分という練習しかしませんでした。それ以上に距離を延ばしたり、スピードを上げたりはしませんでした。

得意としているランなので、スイムとバイクの後だろうと、10km完走は何とでもなると思っていました。

本番は10kmを51分43秒で走った。スイムとバイクの疲労の影響は大きい。

今まで走る競技に出場するときは体調万全の状態でスタートしてきましたが、トライアスロンでは疲労たっぷりの状態でスタートです。ランニングを雑にスタートすることに笑えました。

前半は予定通り1km5分程度のペースで走れました。しかし、無理をすると筋痙攣が起きそうな状況だったので、後半は少しペースを抑えて走りました。慎重に走り、51分43秒でゴールしました。ランが得意でも、スイムとバイクの疲労は無視できないと実感しました。

次回、サブスリーを目指すのであればランの練習はどうする?

練習で10kmを45分で走れるようにしておこうと思います。これならスイムとバイクの疲労があっても50分でゴールできるはずです。

サブスリーまでの16秒、なんとかならなかったのか?

冒頭にも記載しましたが、練習の段階ではサブスリーといった目標はありませんでした。なぜなら、海でどのくらいで泳げるのか、ロードバイクでどのくらいで走れるのか見当もつきませんでしたので。初のトライアスロンを完走できればいいというスタンスでした。

本番のランニングがスタートして初めてサブスリーを達成できそうなことに気づきました。筋痙攣を起こさないようにペースを抑えながらも、サブスリーを目指して走っていました。そして、手元の時計で2時間59分54秒でゴールしました。

ところが、公式記録は3時間00分16秒でした。何が起きたのでしょうか?

原因はランでなくバイクの部分にありました。

詳細は忘れてしまいましたが、バイク中にドリンク関連で問題が生じて一時停車しなければなりませんでした。その際に、GPSウォッチの「オートポーズ機能」が作動していました。信号待ちで立ち止まった時などに、計測が自動的に停止し、走りだすと再開する機能です。オートポーズの作動に気付いていなかったために、公式タイムより手元の時計が短く表示されてしまったのです。手元の時計で3時間を切っていたものの、公式タイムは3時間を超えていました。

もし気付いていれば、16秒くらいなんとかできる状況だったので残念でした。

レース本番ではオートポーズ機能はオフにする!
私の失敗談が誰かの参考になれば幸いです。

まとめ

オリンピックディスタンスでサブスリー付近でゴールしたときの練習能力は以下のとおりです。

  • バイク:クロスバイクで最長28km。平均時速20km程度。ほとんど練習せず。
  • スイム:プールでツービートクロールで1.5km40分。一日最長2km。海を少々。
  • ラン:10km50分。

私の情報が、皆さんのオリンピックディスタンス・サブスリーを達成する助けになれば幸いです。

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